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キスリング展

     2007-08-25 : 展覧会
スペインの女 最初にキスリングはいいなあと感じたのは二年前の2005年、ホテルオークラ東京であった「ヨーロッパと日本 きらめく女性たち展」のときだ。「スペインの女」の大きく描かれた、寂しそうな目が気に入っていた。

女道化師 その後箱根芦ノ湖美術館でも見たが、一番印象に残っているのが伊豆半島の温泉地、伊東にある池田20世紀美術館の「女道化師」。等身大ほどの大きさの絵だが、やはり女道化師の大きな憂いを含んだ目が印象的である。

黒いブラウスの若い女性 1928 2006年2月東京の日本橋三越で開かれたベオグラード国立美術館所蔵フランス近代絵画展にもキスリングが2枚来ていたようだが、図録が手元にあるだけで残念ながら見ていない。これは「黒いブラウスの若い女性」

赤いセーターと青いスカーフを纏ったモンパルナスのキキ そして今年2007年、ジュネーブのプティ・パレ美術館の収蔵品を中心としたキスリング展が日本を巡回している。横浜では8月26日までそごう美術館で見ることができる。その後福岡に行くようだが、10月には東京に戻ってくる。

 キスリングは1891年にポーランドで生まれたエコール・ド・パリ(パリ派)の画家。ピカソ、ブラックらとも親交があったようだが、キュビスムとは別の独自の世界を作り上げている。その彼の作品が20代始めにパリに出てきてすぐの頃から62歳でなくなるまでを時系列に展示してある。

 順に見ていくと30代から独自の画風を確立しているのがわかる。たとえばセザンヌの影響下にあるといわれていた頃の「水差しと果物のある静物」(cat3)と「果物のある静物」(cat26)を比べると色使いを重視する方向に変わってきているのが見て取れる。

 また、この頃からの女性像の目が変わってきている。大きく描かれた目はこちらを見ていないことが多く、宙をさまよっている。人間の感覚は目に強く反応するらしいので、独特の印象を与えることに成功している。
オランダ娘 cat30 イヴ cat37 おさげ髪の少女 cat39


 このキスリング展、大分前に見たのだが、明日で横浜での公開が終わってしまうので、とりあえず上げておく。また日中は35度になるようだが、デパートの中は涼しいので、もう一度横浜そごうまで出かけてみようかと思っている。

追記:箱根芦ノ湖美術館は2006年に閉館し、東京都港区南青山に青山ユニマット美術館として展示を続けている。


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mitsumitsumi101@mail.goo.ne.jp

キスリングは日本人に人気ある画家です。うつろな表情がいいのでしょうね。明確な線と少し強めの色彩が私も好きです。

キスリング

中川輝光様

コメントありがとうございます。

なるほど確かに「明確な線と少し強めの色彩」ですね。これからも絵画の見方を教えていただければと思います。

今後ともよろしくお願いしします。
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