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エアバスの失速

     2007-01-18 : 科学、技術

 【パリ=安藤淳、シカゴ=毛利靖子】欧州エアバスは17日、2006年の航空機受注が790機で、ボーイングの1044機を下回ったと発表した。6年ぶりに首位の座を明け渡した。ボーイングの中型機「787」の有力な対抗機種がなく、シェアを奪われた。総2階建て機「A380」の生産遅れによる信頼低下も顧客離れを引き起こした。部品調達先の絞り込みなどのコスト削減策を急ぐとともに、新中型機の投入を急ぎ、巻き返しを狙う。(2007.01.17の日経記事)

 日経の記事である。航空業界には門外漢であるが、二年前のSpectrum誌の記事「ボーイング社が乱気流に突入」を思うと隔世の感がします。この記事ではボーイング社の戦略をはなはだ悲観的に書いているのです。

 第一にボーイング社がシステムインテグレータになったこと。それまで全て社内で製造していたが、製造設備を売却し、人員をリストラし、自らはパーツを購入し、最終組み立てをするという戦略をとったことです。エアバスに対抗するための戦略であるが、技術的優位性を捨てたと酷評されていました。

 第二に、総二階建てで、全エコノミー席だと800席にもなるエアバスのA380対抗として、300席程度の7E7を発表したが、コンセプトがはっきりせず、途中で開発中止になる公算が高いとまで言われていたのです。

 この事態が変わったきっかけが、全日空による6000億円にものぼるボーイング7E7の発注でした。しかしこの時点でもまだ、こんな発注を受けてボーイング社は後戻りできなくなってしまったと揶揄されていたのです。

 ところが2年たってみると、この開発コード7E7機が正式名称787になり、エアバス追い落としの鍵となりました。

 エアバスの戦略は、ハブ空港間を大型機で結び、そこで小型機に乗り換えて目的地に向かうと言う方向でした。だから大型機が必要だとA380を前面にすえました。

 一方、ボーイングは、乗客は乗換えを嫌がるはずだ、中型機で目的地までいけるほうが利便性が高いと考えたのです。だから高速で巡航でき、燃費が良い、航続距離の長い中型機を開発しようとしたのです。乗客の立場からすればボーイングの考え方のほうに賛成したいですね。

 また、自社で全てをまかなうと言う戦略を捨てたことは大きな意味があります。生物の進化に置き換えて考えると、「有性生殖」は「無性生殖」に勝るということでしょう。

 自社で全てをまかなう垂直統合と言われる組織は無性生殖と同じシステムで、全てを自分で発明しなくてはならない。それに引き換え有性生殖は自分たちの発明を分かち合っている発明家のグループのようなものなのです。生物が有性生殖を得て急激に進化したように、ボーイング社も急激に進化しているのでしょうか。

 787の出荷の始まる二年後、エアバスとボーイングはどうなっているでしょうか、とても興味がありますね。これから昔読んだマイクル クライトン の「エアフレーム―機体」をもう一度読み直そうと思っています。航空業界って面白そう、、、、、




2009年4月追記
2007年10月にシンガポール航空のシンガポール-シドニー線でデビューを果たしたエアバスA380に対し、ボーイング社の787は計画の一年遅れである2010年8月に最初の機体の納品が実施される予定。





Photo: http://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d2/R54e.jpg/300px-R54e.jpg

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